今月のお話
今月のお話
作成日:2023/06/01
映画『生きるLIVING』を見ました



私は昭和53年に公認会計士試験二次試験に受かって、監査法人に就職しました。同期で4人入りました。同期の人で映画が好きな人がいて、たくさん映画を見ていて詳しかったです。その人に今まで見たなかで、一番印象に残った映画を聞いたところ、黒澤明監督の「生きる」でした。私はそのころ映画はあまり詳しくなかったので、その映画は知りませんでした。その後いつか見たいと思っていましたが、随分あとで見る機会がありました。余命数か月を宣告された役所の課長が自分の生きざまを残して亡くなるという筋です。見た後に自分だったらどうしただろうかと大きな余韻が残りました。

今回イギリスで「生きる」をリメイクすることになりました。ノーベル賞作家のカズオ・イシグロは若かりし頃にこの映画に衝撃を受け、映画が持つメッセージに影響されて生きてきたと語っています。イシグロは、黒澤映画の「何事も手柄が得られるからやるのではない。世間から称賛されるからやるのではなく、それが自分のなすべきことだからやる。」そんな人生観に魅力を感じていた。したがってオリジナルの高い評価に怯えることなく、自分なりの脚本を執筆したということです。


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