聞きなれない言葉ですが、アンガーマネジメントといって、怒りの感情をコントロールして問題解決を図ることで、企業研修に取り入れられるなど注目されています。
あおり運転など感情に振り回された短絡的な行動が目立ちます。ストレスの多い現代では、些細なことに腹を立て、怒りの感情が引き起こされやすい状況にあります。
心理学における怒りのメカニズムを見ていきましょう。怒りの感情は「自分を守るための感情」だと心理学の中ではいわれています。私たちは悲しみや悔しさ、不安などの感情を心の中に蓄積する仕組みを持っています。しかし、その容量を超えてしまうと、それらの感情を含んだ「怒り」として面にあふれ出てしまうのです。これらの感情が容量に達しても、怒りを表現できないとストレスが溜まり、心身に悪影響を与えることになります。怒りは、心の中にある混沌とした思いを発散し、防衛反応の役割を持つという側面もあります。
アンガーマネジメントは1970年代のアメリカで発祥し、怒りの感情と上手に付き合っていくメソッドとして注目されました。このメソッドが大切にしている点は、怒らないようにすることではなく、「怒る部分に怒り」、「怒る必要のない部分には怒らない」と区別をすることです。
怒りは初めの6秒がピークでここをコントロールすると怒りは収まっていきます。怒りを感じたとき、6秒以内に行動を起こしてしまうと、相手に酷い言葉を言ったりして後悔する結果となってしまうのです。
しかし、怒りを感じたときに6秒待つということは大変なことでもあります。深呼吸して心を落ち着かせたり、その場を一旦離れることもいいでしょう。
「怒ることは誰にでもできる。ただ怒るのは簡単なことである…しかし適切な相手に、適切な程度に、適切な場合に、適切な目的で、適切な形で怒ることは容易ではない。」
- アリストテレス