やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/10/01
10月1日をまたぐ期間の水道料金と消費税経過措置

[相談]

 私は住宅用アパートを一棟保有しています。
 そのアパート入居者からは、毎月の賃料の他に、共用部分の電気代・水道代等を「共益費」として受け取っていますが、この部分の消費税の取扱いはどのようになっているのでしょうか。
 また、私が2ヶ月に1回支払っている共用部分の水道代について、今年10月1日(消費税率の引き上げ日)をまたぐ期間の料金にかかる消費税率は、何%になるのでしょうか。
 なお、9月と11月の検針日は、それぞれ15日の予定です。


[回答]

 ご質問の共益費収入については、消費税は非課税売上げとなります。また、10月1日をまたぐ期間の水道代に適用される消費税率については、ご相談の場合には8%となります。その詳細については下記解説をご参照ください。


[解説]

1. 住宅用アパート共益費の消費税

 消費税法上、アパートの共用廊下の照明や共用水道等について、それらの電気代や水道代を各居住者から徴収する場合には、その徴収した費用についての消費税は非課税とされています。
 なお、その徴収名目は「共益費」や「管理費」など様々であると考えられますが、その名称自体は関係ありません。


2. 10月1日をまたぐ期間の水道代に適用される消費税率

 令和1年(2019年)10月1日をまたがって供給等される電気・ガス・水道等のうち、10月1日から10月31日までの間に検針等によって料金が確定するものについては、10月1日(消費税率引き上げ日)以後の部分も含めて、経過措置として、8%(旧税率)が適用されることとされています。

(例)毎月の電気代の検針日が15日であるとした場合

  • 9月16日〜10月15日の期間の電気代の消費税率‥8%(経過措置)
  • 10月16日〜11月15日の期間の電気代の消費税率‥10%

 ただし、水道代は、一般的に2ヶ月ごとに検針が行われるため、10月1日をまたぐ期間の水道料金が、10月31日までに確定しない場合も考えられます。
 このような場合については、下記の算式により8%(旧税率)の対象となる料金(経過措置の対象となる部分の料金)を計算することとされています。

 図の出典:国税庁「平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A(具体的事例編)」PDF 13ページ


(例)令和1年9月16日〜11月15日の期間の水道料金10,000円を、12月25日に支払う場合(前回の確定日を、9月15日とします)

  • @ 9月16日(※)〜10月31日:1か月と15日⇒2ヶ月
  • A 9月16日(※)〜11月15日:2ヶ月
  • B 10,000円×2ヶ月÷2ヶ月=10,000円
  • ∴ 8%(旧税率:経過措置)の対象となる水道料金は、10,000円(全額)

※税法上、期間の初日は算入しないこととされているため、前回確定日(9月15日)の翌日である、9月16日から起算します。


 今回の事例のように、10月1日をまたぐ期間の各種料金については、適用すべき消費税率についての経過措置が設けられている場合があります。
 このため、支払日ベースで適用する消費税率を判定すると、誤りが生じる可能性がありますので、その期間の料金についての経理処理を行う場合には、適用される消費税率を請求書等でしっかりと確認してから行うことをおすすめいたします。


[参考]
 改正法附則5、16、改正令附則4、通法10、消基通6-13-9、10-1-14、国税庁質疑応答事例「集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定」、国税庁「平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A(具体的事例編)」など


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